少し前にこんなツイートがありました。
”DIY葬”が注目を集めているという記事に対する佐藤氏のツイートです。
あのさ、皆の目が感染症に向いてる時期だから分かると思うけど、遺体からの感染症防御とか腐敗制御とか遺体管理できない人に安くできるからって自分でやればやすくなるってDIY葬なんてのは公衆衛生上も進める事はできません。お金よりも安全と衛生です。 https://t.co/HUrJrGsmwo
— 佐藤信顕@「遺体と火葬の本当の話」増刷御礼 (@satonobuaki) May 6, 2020
佐藤氏もツイートでおすすめできないと言っているように、DIY葬は全くオススメする事はできません。
というよりDIY葬は実質不可能だと思った方がいいです。
なぜDIY葬がおすすめできないのか、理由を5つのポイントにまとめて説明いたします。
①棺と骨壺問題
まず、火葬を行うには棺と骨壺がないと火葬はできません。
ネット記事で棺がなくても火葬場次第みたいな記事もありますが、棺に入ってないとほとんどの火葬場で火葬の受け入れは拒否されるでしょう。※火葬予約の時点で棺のサイズを確認されます。
火葬炉に入る時の機械や台車が棺に入っている事が前提なので、棺じゃないと火葬炉に入れることか出来ないので棺は必ず必要です。
そして、火葬が終わった後納める壺(骨壺)も必要です。骨壺は斎場や火葬場で売っているので、事前に無くても準備は間に合うかもしれません。
棺はいつ買う?どこに保管する??
棺を購入するのは簡単ですが、いつで買って、どこに保管するかが問題になります。
逝去の知らせを聞いてから棺を買っても多分遅いです。Amazonでざっと見た感じだと早くて3〜4日といった感じです。
もし、棺がすぐ届かなと遺体を長時間保存する必要があります。遺体の保存はプロの葬儀社さんでも、シビアな管理が必要(季節や遺体の状況)なので素人考えで遺体の長期保存は考えない方が良いです。取り返しのつかないことになります。
最終的にいつ棺を使うかは誰にもわからないので、半年先かもしれないし、1年先かもしれないです。しっかり保管しておかないと湿気でカビが生えたり、木が腐って使えない可能性もあります。
また、棺は大きいので1人で運ぶ事は出来ません。大人2〜3人の方に手伝ってもらう必要があります。
そうなってしまうと余計な手間とお金になってしまいます。
②遺体の搬送と安置
遺体の搬送は素人に出来るのか?
ソースの記事でも”遺体の搬送はネック”と言っているように、素人に遺体の搬送は無理だと思います。
遺体の搬送には
が必要なので、逝去後すぐこれらを準備する必要があります。
法律的には死亡診断書があれば誰でも遺体の搬送は可能です。
いくら法律的に許されているからと言っても、普通の車に遺体を乗せている様はあまりいい気はしないかなと個人的には思います。
病院や介護施設で亡くなった場合、遺体はエンゼルケアと言う遺体の状態を清潔にしてくれる処置を行ってくれます。
しかし、自宅や警察(急死、変死の場合)ではそのような処置は行えないので、自ら納体袋へ納めたり遺体のケアをする必要があります。
何の知識も経験もない人が遺体のケアを行う事は非常に危険(感染リスク)です。
病院や施設以外で亡くなった場合も素人が遺体を搬送する事は絶対に無理なので必ず搬送専用の業者や葬儀社に連絡をしましょう。
遺体の保存(安置)が一番大切
葬儀を行う上で最も重要な事は葬儀当日まで遺体の状態をキープする事なので、保存期間が長くなればその分遺体の状態をキープする事が大変になります。
遺体の保存(安置)には遺体の状態と保存環境が非常に重要です。
遺体の保存方法を間違えてしまうと、たちまち腐敗が進み故人の尊厳を損なうことになり、安らかなお別れを行うことが出来なくなってしまいます。
そもそも、ドライアイスがどれだけ必要か、どこに当てるのかがわからないかと思われます。
基本的には顔周り、胸、お腹にドライアイスを当てます。
当てる時も、直にドライアイスを当ててしまうと低温火傷してしまいますので、布などで包んだ上、タオルなどで調整します。この加減は体格や気候によって変わるのでとても難しいです。
そして、故人にドライアイスを当てる事は遺族にとってとても辛い作業です。生きている人には絶対に行わない事なので、恐らく考えているよりずっと精神的に辛い作業です。
遺体の扱いはいろんな意味でとてもデリケートと言う事は覚えておいて下さい。
part2へ続く(近日公開)