家族葬によくある3つの勘違い

家族葬

家族葬についてよくある勘違いについて解説したいと思います。

よくある勘違い

  • 家族葬は家族だけでやるもの
  • 家族葬にすれば簡単に済む
  • 家族葬は一般葬に比べて安い

これらは全て勘違いです。

こんな勘違いをしたまま家族葬を行ってしまうと、実際には思っていたほど簡単でもないし、安くもないという事にもなりかねません。

この記事を読んで少しでも家族葬を正しく認識してもらえればいいかなと思います。

勘違い①家族葬は家族だけでやる

3D Animation Production CompanyによるPixabayからの画像

家族葬は家族(遺族)だけで行う葬儀ではありません。

家族葬の定義については不明確な部分が多いのですが、ざっくり定義するのであれば家族の様に親しい方で行う葬儀の事と定義した方がいいと思います。

つまり、参列される方を家族(遺族)だけに限定する必要はありません。

ちなみにwikipediaで家族葬を調べるとこう書いてあります。

家族葬(かぞくそう)とは、家族と近親者だけで行い、近親者意外の儀礼的、社交辞令的な弔問客の参列を拒否する葬式のこと。

Wikipedia「家族葬」

ここで言う近親者は親族や親戚に限らないと考えても問題ありません。

家族葬が誕生してから

バブル崩壊ごろ(90年代)から、今までの盛大な葬儀から小規模な葬儀が増え始め、小規模な葬儀の事を「家族葬」と呼ぶ様になりました。

私が葬儀の仕事を始めた頃にはすでに「家族葬」と言う言葉もある程度定着しており、本当の密葬は地元有名企業の重役の方が亡くなった際に行うぐらいしか経験がありません。確かに私が子供の頃は父が密葬と言ってた様な気がします。

しかし、今だに「家族葬の定義」というものがあまり定義されていません。葬儀社や消費者によって認識はばらばらな気がします。(特に葬儀業者)

家族葬を明確に定義することにあまり意味はないのかもしれませんが、消費者に葬儀の価値を提供する上では、曖昧なものに価値がないとも思いますので、家族葬のカタチがもっと明確なものになれば、消費者の方に家族葬の価値を提供できるのではないでしょうか。

遺族の意向は尊重されるべきだが、、、

葬儀における遺族の悲しみや意向は最大限に尊重されるべきですが、故人を弔いたいという人が他にもいる事を頭の片隅に置いておいていただきたいとも思います。

先ほど家族葬の定義について「家族の様に親しい方で行う葬儀」としましたが、この「家族の様に親しい方」の中に故人の知人や友人が含まれることは稀です。

葬儀を家族葬で行う場合、故人の知人友人などは基本的に参列することを諦めてしまいます。

家族以外の方が参列すると今まで知らなかった故人の一面や話などが聞けたりもするので、必ずしも面倒なことだけではありません。

もし、生前の故人からよく聞いたことがある方などで、参列することが許可出来そうな場合はご連絡を差し上げてはいかがでしょうか。

もちろん、家族のみで葬儀を行うことが間違っているわけでもありません。亡くなってしまった状況や精神状態によってはそんな余裕がないのも当然です。

家族葬一辺倒にならず、状況によっていろんな葬儀のカタチを考えてみてはいかがでしょうか。

勘違い②家族葬は簡単

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家族葬と一般葬の工程の違い

「家族葬だから簡単」という考えの方がいますが、家族葬=簡単というのは勘違いの他でもありません。

なぜなら、一般の葬儀と家族葬の逝去から火葬工程はほぼ一緒だからです。もちろん納骨の工程も一般葬だろうと家族葬だろうと基本的には同じです。

家族葬と一般葬の工程の違い

この様に家族葬と一般葬の工程は一緒になります。つまり、家族葬だから葬儀の工程上から省ける部分は基本ありません。

通夜や告別式の会場準備や打ち合わせ内容が多少簡易的になる部分もあります。

むしろ逆に大変になってしまうケースもあります。

故人の交友関係を把握しきれず、会場の席数や返礼品(後日送付の場合を除く)が足りなくなってしまい、結果的に一般葬にしておけば良かったというケースもあります。

故人の交友関係の全てを把握する事は非常に難しいので、特に故人が若い方はその様なケースも想定しておいた方がいいかもしれません。

葬儀を簡単に済ませるには

葬儀の工程で省くことができるのは納棺と通夜、告別式の部分です。

  • 納棺は業者に任せる
  • 通夜告別式は行わない
  • 火葬のみを行う

葬儀を簡単に済ませたい場合、式場を使用しない火葬式が最も有効な選択肢になると思います。

しかし、火葬だけを行う際も注意が必要です。菩提寺にお墓がありそこに納骨予定の方は、菩提寺に相談しないと読経もしてもらえず、お墓にも入れないという事態もあり得ます。

簡単に済ませたいという理由だけで火葬式を選ぶのにも注意が必要です。

勘違い③家族葬は安い

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もし、お金の問題だけで家族葬を選択しようと考えている方はやめた方がいいです。家族葬だから必ず安くなる訳ではありません。場合によっては負担する費用が高くなってしまう事もあり得ます。

しかし、家族葬の方がトータルの費用が抑えられる事も事実です。

主に

  • 返礼品が少なくなる
  • 料理が少なくなる

と言った具合に参列者が減ることで、葬儀費用の総額は安くなります。

家族葬=安いではない理由

しかし、葬儀費用の総額が安い事と遺族(喪主)が負担する金額が減ることはイコールとはいきません。

なぜなら、葬儀には一般的に香典という風習があるからです。

この香典を葬儀費用に充てる事で葬儀費用の負担してを減らす事ができます。

家族葬と一般葬の費用の違い

つまり、返礼品や料理は頂いた香典に対して用意するものなので、喪主が負担する費用には含まれない事になります。

家族葬でも費用を抑えるには

会場や受付、スタッフなどの仕様が家族葬と一般葬で差がない場合、香典がない分家族葬の方が一般葬より費用の負担が増える可能性があります。

ではどうするかというと、

  • 会場を小さくする
  • 祭壇飾りも最小限
  • 受付を設けない

などの仕様に変更する事で、会場費や祭壇費、人件費を抑える事が出来るので、家族葬でも負担を減らす事が出来ます。

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