【最新!葬祭ビジネス決算】株式会社アスカネット(2438)の2021年第3四半期決算発表!

葬儀ビジネス

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新型コロナウイルスの感染拡大で、葬儀業界も大きく影響を受けています。

大手企業のほとんどが減収・減益と、厳しい状況が続いています。

今回紹介する企業は「株式会社アスカネット(以下、アスカネット)」です。

アスカネットの主な事業は以下の3つです。

  • フォトブック事業
  • フューネラル事業
  • 空中ディスプレイ事業

アスカネットでは、主にITを活用した写真集の制作や遺影写真の制作を行なっています。

つまり、アスカネットは葬儀社ではなく印刷会社になります。

葬祭関連ビジネスの現状や今後がどうなっているのか確認していきましょう。

今回の記事でわかること
  • アスカネットの会社概要
  • 経営状況
  • 今後の見通し

アスカネット株式会社とは?

会社概要

株式会社アスカネットの主な事業は遺影写真やフォトブック制作がメインの企業になります。

他にも、IT技術を使ったサービスや空中に映像を表示させる空中ディスプレイ事業なども行なっています。

株式会社アスカネットは、現在(2021年時点)東証マザーズに上場しています。

本社は広島県広島市に事務所をかまえています。

従業員数は373人。平均年齢は35.7歳と比較的若い人が活躍している企業です。

年間の売上高は2020年4月期で65.7億円となっています。

直近の2017年から2020年まで右肩上がりで成長してきましたが、2021年の売上予想は58億円と減収の見込みとなっています。

企業名株式会社アスカネット
設立1995年7月6日
資本金4.9億円
代表取締役社長松尾雄司
主な事業フォトブック事業
フューネラル事業
空中ディスプレイ事業

代表取締役社長の松尾雄司氏(まつおゆうじ)は1998年にアスカネットに入社し、02年取締役に就任。07年常務COOを経て、2018年に代表取締役社長兼COO(現:代表取締役社長)に就任しました。

前社長の福田幸雄氏は2020年10月31日をもって会長職を退任しました。

松尾雄司氏は、アスカネットについてこんなコメントを掲載しています。

「思いをかたちに」。その経営理念のもと、創業から今日までアスカネットは創造企業として歩んでまいりました。お客様に喜ばれる1枚や1冊を届ける為に生真面目に一つの写真を加工し、心を持って1冊の写真集を製作し、技術を磨く… そんな日々の努力の積み重ねと、前例や常識にとらわれない果敢なチャレンジによって、より新しい製品やサービスが生まれ、ここまで成長することができました。

引用:株式会社アスカネット「会社概要」

アスカネットの設立から今まで

アスカネットは、1982年に飛鳥写真工芸社として設立、その翌年は株式会社飛鳥写真館として法人化しました。

会社の歴史はまだまだ40年ほどで短いですが、世界でその写真加工技術が認められています。

PPA(Professional Photographers of America)というアメリカの写真協会で「Hot1 アワード」のアルバム部門を6回受賞しています。

アスカネットでは早い時期(2000年マイブック事業を開始)からインターネットを活用した写真集の作成に力を入れることで、世界でも認められるような先進性や高品質を実現しています。

2005年には、東証マザーズへ上場。

この時期からasukabookブランドとしてアメリカでのサービス提供も開始しています。

2011年には、エアリアルイメージング事業(空中結像技術研究)の特許を取得しました。

主な事業内容

アスカネットの事業は主に3つのセグメントに分けられています。

  • メモリアルデザインサービス事業(2021年5月:フューネラル事業)
  • パーソナルパブリッシングサービス事業(2021年5月:フォトブック事業)
  • エアリアルイメージング事業(2021年5月:空中ディスプレイ事業)

2021年5月から各事業名が変更になり、とてもわかりやすくなりました。

メモリアルデザインサービス事業(フューネラル事業)

アスカネットでは、葬儀関連事業をメモリアルデザインサービス事業(現:フューネラル事業)として一つのセグメントに分類しています。

メモリアルデザインサービス事業では、インターネットを利用した写真加工、葬儀演出コンテンツ制作、フォトフレームや写真集などの販売やサービスを提供しています。

また、「tsunagoo(つなぐ)」というオンライン葬儀サービスも提供しています。「tsunagoo」の利用者は累計で5万件を超えて、オンライン上での葬儀サービスが浸透してきています。

パーソナルパブリッシングサービス事業(フォトブック事業)

アスカネットの主力事業が「フォトブック事業」です。先ほども述べましたがアスカネットの写真加工技術は世界最高峰クラスです。

パーソナルパブリッシングサービス事業では、プロの写真家から一般ユーザーまで幅広く使えるサービスを提供しています。

  • AsukaBook
  • My Book
  • アトリエフォトブック

他にも等身大の写真を作れるサービスやスマートフォン向けのアプリ開発なども行なっています。

パーソナルパブリッシングサービス事業の主力はウェディング向けの写真集の為、新型コロナウイルスの影響をもろに受け、その結果、前年同期比で20%以上も売り上げは落ち込んでしまいました。

エアリアルイメージング事業(空中ディスプレイ事業)

空中ディスプレイ事業では、「ASUKA3Dパネル」という特殊なパネルを使い、空中に映像を表示させるという先進的な取り組みを行なっています。

SF映画などで見かけたことがあるような、未来的な技術がすでに実在する事に驚きました。

空中ディスプレイとは、光の反射を利用することで空中に映像を表示させる技術のことをいい、空中結像技術とも言われます。特殊なメガネなどを用いず、肉眼で目の前に映像が浮かび上がります。

出典元:株式会社アスカネット「空中ディスプレイ事業」

また、空中に表示された映像を非接触で操作もできるため、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策としても注目されています。

売り上げについても、順調に推移していて前年比13%ほど伸びています。しかし、研究開発費が重く赤字が続いています。セグメントの占める割合はまだまだ少ないですが、今後に期待できるセグメントになると思います。

出典元:YouTube「ASKA3D- SuperFly」

2021年第3四半期決算の内容

決算概要(2020年5月1日〜2021年1月31日)

今回の決算の内容は2021年3月8日に発表された内容になります。

結果は、減収・減益になりました。

やはり、コロナの影響は大きい、、、かと

2021年4月期(前年度比率)2020年4月期(前年度比率)
売上高41.8億円(▲15.5%)49.5億円(5.9%)
営業利益1.4億円(▲78.3%)6.4億円(▲7.1%)
経常利益1.9億円(▲70.6%)6.5億円(▲7.2%)

セグメント別売上

売上高(前年同期)利益または損失(前年同期)
メモリアルデザインサービス事業18.2億円(19.1億円)4.3億円(5億円)
パーソナルパブリッシングサービス事業22.7億円(29.6億円)2.8億円(7.1億円)
エアリアルイメージング事業0.8億円(0.7億円)▲1.9億円(▲1.7億円)

パーソナルパブリッシングサービス事業の減収減益が目立ちます。

やはり、ウェディングや旅行といったイベント自粛の影響をもろに受けているようです。

エアリアルイメージング事業は、まだまだ実用事例も少ないのでしばらく赤字が続くでしょう。

今後の見通し

先行きは極めて不透明

未だ新型コロナウイルスの感染拡大の収束が見込めない状況では業績の回復は厳しいでしょう。

  • 新型コロナウイルス感染拡大
  • 緊急事態宣言の再発
  • 企業収益悪化
  • 個人消費の低迷

まだしばらくの間はコロナの影響を引きずりそうな気がします。

葬儀件数は、少子高齢化に伴い今後も確実に増加するため、アスカネットの遺影写真加工技術や「tsunagoo」のようなITサービスの需要も増加していくと思われます。

しかし、葬儀の小規模化や簡素化によって葬儀の演出や動画が必要ないケースが増えています。今後の需要については、厳しい状況が続くかもしれません。

空中ディスプレイ事業はもっと実用化が進めば、収益化も十分可能だと思います。

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