【エンバーマーとは?】日本におけるエンバーミングの必要性

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こんにちはまるずみ(@OsohshikiBlog)です。

エンバーミングってよくわからないし、日本で必要なの?

と言う人に向けて日本のエンバーミングやエンバーマー についてざっくり解説します。

  • エンバーミングの目的は?
  • エンバーミング の現状
  • エンバーミングの必要性
  • エンバーマー の本

この記事を読むとエンバーミングのざっくりした知識が身につきます。

エンバーミングとは?

エンバーミングの目的

エンバーミング 最大の目的は遺体の消毒と保全によって腐敗を防ぐ事です。

人は死んだ瞬間から細菌が繁殖し、腐敗が始まります。

一般的なお葬式の場合、逝去後”エンゼルケア”と”ドライアイス”で火葬までの間、遺体の状態を維持します。

しかし、その場合遺体の状態を完全にキープできる訳ではありません。毎日遺体の様子を確認し、ドライアイスを交換しなければ、遺体の状態はすぐに変わってしまいます。

エンバーミング を行う事で、そのような心配をなくす事ができます。

エンバーミングこそ理想の保全処置

引用元:IFSA(一般社団法人日本遺体衛生保全協会)

エンバーミングの方法

腐敗を抑えるため、全身の血液を抜き、防腐剤を全身に巡らせます。

以下エンバーミングの工程です。

エンバーミングの工程

  1. 全身の消毒、および洗浄を行う。
  2. 遺体の表情を整え、必要に応じて髭を剃るなどの処置を行う。
  3. 遺体に小切開(主に頸部など)を施し、動脈より循環器経路を使用し防腐剤を注入。同時に静脈より血液を排出する。
  4. 腹部に約1cmの穴を開け、そこからトローカーと言われる金属製の管を刺し胸腔・腹腔部に残った体液や、腐敗を起こしやすい消化器官内の残存物を吸引し除去する。また同時にそれらの部分にも防腐剤を注入する。
  5. 切開を施した部位を縫合する。この時、切開を行った部分にはテープ等を貼り目立たなくする。事故などで損傷箇所がある場合はその部分の修復も行う。
  6. 再度全身・頭髪を洗浄し、遺族より依頼のあった衣装を着せ、表情を整え直した上で化粧を施し納棺する。

引用元:Wikipedia

エンバーミングの方がドライアイスより安全に遺体を保存する事ができ、故人とのお別れを安心して過ごす事ができます。

エンバーミングによって安心して葬儀を迎える事ができます。

エンバーミングの歴史

世界

エンバーミングの始まりは古代エジプトのミイラ作りです。

1860年代アメリカが南北戦争で亡くなった兵士を遺族の元へ搬送するために腐敗を防ぐ必要がありました。そこからエンバーミング の技術は発展していきました。


日本

1988年にアルファクラブ武蔵野によって葬儀社としてはじめてエンバーミングが施術されました。当初の年間施術件数は191件。

それから件数は増加し2016年では37597件のエンバーミングが行われています。

現在、国内のエンバーマーは160名、うち実際に稼働しているのは100名ほどといわれてます。

今後エンバーマーを500名へ増加し、年間の施術件数10万件を目指すとの事です。

日本のエンバーミング の歴史はまだ浅い

エンバーミングに必要な資格は?

IFSA(一般社団法人日本遺体衛生保全協会)の民間資格が必要とされています。

しかし、エンバーミング に関する法令は現在(2020年3月)ありません。

IFSAでは4つの基準を定めています。

  1. 本人またはご家族の署名による同意に基づいて行うこと
  2. IFSAに認定され、登録されている高度な技術能力を持った技術者によってのみ行われること
  3. 処置に必要な血管の確保および体腔の防腐のために最小限の切開を行い、処置後に縫合・修復すること
  4. 処置後のご遺体を保存するのは50日を限度とし、火葬または埋葬すること

引用元:IFSA(一般社団法人日本遺体衛生保全協会)

エンバーミングは刑法190条(死体損壊罪)には抵触ししない。

エンバーマーの学校

エンバーマー の資格取得には日本ヒューマンセレモニー専門学校に2年間通う必要があります。

エンバーマーコース(2020年時点)

学習期間 2年間(昼間)

募集人数 20名

学費

  • 入学金      150,000円
  • 授業料(年額)  480,000円
  • 実習費 (年額)  200,000円
  • 施設費(年額)  150,000円
  • 維持費(年額)   5,000円

教科書代・制服代など

  • 1年次      515,872円
  • 2年次      100,000円

1年目で150万円ぐらい、2年目で100万円ぐらいかかります。

つまり、結構お金がかかります。

時代が求める遺体衛生保全士

欧米では普通に行われている「エンバーミング」それは遺体を美しいままに保存する、社会性の高い技術です。病死・災害死・事故死・感染病死(解剖処置体含む)さまざまな死因の故人様を修復技術、腐敗防止技術、ラストメイク等で生前のお元気であられたお姿に戻す科学的な施術です。それを専門に行うエンバーマーを育成するために、日本ヒューマンセレモニー専門学校は、エンバーマーコースを設けました。時代が求める技術を通じ、多くの人の願いに応えていくために。

引用元:日本ヒューマンセレモニー専門学校

エンバーマー になるにはお金がかかる

エンバーマーの芸能人

芸能人の壇蜜さん(公式ブログ)はエンバーマーライセンスを所有しています。

日経の記事でエンバーマー になった経緯について語っています。「壇蜜、遺体と向き合う仕事にピンときた 運命の一冊

葬儀業界に入るキッカケが身近な人の死である事は多いようです。

日本と外国の普及について

火葬が99%をしめる日本での普及率は低い。

エンバーミング施設は21都道府県に55施設あります。

2018年時点で全体の約3%の遺体がエンバーミング を施術しています。

2018年の死亡者数は136万9千人(厚生労働省-人口動態統計)なので、約4万人の方がエンバーミングを施術していることになります。

今後、日本の死亡者数は2040年にかけて167万人まで増加します。年間の施術を10万件にするには5〜6%まで増やす必要があります。

土葬が多いアメリカ、カナダでエンバーミングは一般的な処置である。しかし、最近アメリカでは火葬の拡大によって、エンバーミングの件数が減少しているようです。

各国のエンバーミングの施術率

施術率
アメリカ、カナダ90〜95%
北欧75%
イギリス、シンガポール70%
フランス30%
オーストラリア、ニュージーランド25〜30%
ベルギー、西アフリカ4〜5%

引用元:一般社団法人日本遺体衛生保全協会ホームページ

アメリカでエンバーミング が減っている

エンバーミングの料金

料金は大体15〜20万円ぐらいかかります。

葬儀社別 エンバーミング の価格

※2020年3月時点のホームページ上の金額です。

遺体の状態や施術の内容で金額はかわります。

思ったほど高くないが、安くもない。

エンバーミングの必要性

基本的には必要ないと私は思います。

やはり、エンバーミング の技術は遺体の長期保存が本質だと思いますので、火葬が99%の日本で普及するのは難しいと思います。

土葬が主流のアメリカでさえ、「火葬するならエンバーミング しなくていいよね」ってなるんですから…

日本の葬儀スタイルを踏まえた上で、故人あるいは遺族が望むのであればそれはアリだと思います。

  • 費用はそれなりにかかる
  • 日本では一般的ではない
  • 2〜3日で火葬できる
  • 誰のために行うのか

エンバーミング するかどうか迷っているならやめた方がいいかもしれません。

しかし、人は誰しもが平穏な死を迎えられる訳ではない、というのも事実です。

不慮の事故や災害などで、損傷した遺体を目にする遺族の気持ちを考えると、エンバーミングは価値のある技術だと思います。

近年、葬儀の多様化によってさまざまなカタチの葬儀が増えてきました。

選択肢のひとつとして「エンバーミング 」があってもいいと思います。

今後、日本の外国人が増える事で海外へ遺体を搬送する必要が増えれば、エンバーミングの需要は必然的に増えるので、そういった部分では今後普及の余地はあるかもしれません。

価値ある技術
しかし
日本で普及するのは難しい、、かも

エンバーミングに関する書籍

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