もうすぐお盆の時期ですね。
と言う方のために、新盆についてざっくり解説したいと思います。
そもそもお盆(新盆)とは?
新盆(初盆)とは、葬儀のあと四十九日を過ぎて初めて迎えるお盆のことです。
新盆は故人の霊が初めて帰ってくるお盆なので僧侶、親戚などを招いて供養する地域が多いです。
お盆という習慣は日本独自の習慣なので、海外の仏教にはお盆という習慣がありません。
お盆の起源
お盆の起源は、お釈迦様の弟子である目連が、亡くなったお母さんを餓鬼の世界から救うという物語が起源と言われています。
お話の内容について詳しく知りたい方は、下記動画でわかりやすく解説されています。
2020年のお盆の期間
お盆は8月13日〜8月16日の4日間です。
東京や太平洋の一部地域では7月にお盆を迎える地域もあるそうです。
なかなか地域ごとの時期の違いは住んでないとわからないですね。
時期が異なる理由は、新暦と旧暦の切り替えによる1ヶ月弱のずれや農業の準備が影響しているようです。
お盆の各日付には名前がついています。
といった感じです。
今年(2020年)は8月8日が土曜日なので9連休という方も多いのではないでしょうか。
もちろん葬儀屋さんは休みじゃありませんw
- 東京や太平洋側の一部地域でお盆は7月。
- 期間は同じで7月13日が迎え火、7月16日が送り火。
お盆の意味を解説
お盆は御先祖様の霊が家に帰ってくる時期とされています。(浄土真宗を除く)
浄土真宗では盆に霊が帰ってくるという考えはないのでお盆は存在しませんが、この時期を「歓喜会」といい御先祖様を偲び感謝する期間としています。
考え方は異なりますが、お盆は御先祖様を供養し父母へ感謝を伝える大切な風習ということです。
なお、忌中にお盆を迎えた場合、翌年が新盆になります。
新盆の準備方法について解説
新盆は、葬儀後行う初めてのお盆です。
故人の霊が迷わず、家まで帰ってこれるようにするため盛大に行うとされています。
詳しい法要のやり方や飾りつけは地域差があるので、葬儀屋さんやお寺さんに確認するのがベストです!
新盆でやること①:新盆の準備
新盆法要では、お坊さんや遺族親族を招き法要を行うこともあります。
お盆の時期は、基本的に全国共通なので、お寺さんも忙しくなります。
自宅で法要を行う予定の人は早めに日程の調整を行いましょう。
新盆で準備するのも↓
7月の末までには、ある程度のめどはつけておきましょう。
新盆でやること②:仏壇を掃除
仏壇の掃除はお盆の前までに済ませておきましょう。
感謝の気持ちを込めてピカピカに掃除します。
掃除の方法は水拭きでOKです。
クレンザーなどを使うのはやめましょう。仏壇に傷がつく可能性があります。
仏具は出す前に写真を撮る
写真があれば戻す時に迷わなくて済みます。
新盆でやること③:盆棚を飾る
こんな感じが基本になるかと思われますが、あくまで参考までにという感じでお願いします。
盆棚(精霊棚)
参考写真の盆棚は比較的大型なモノになります。もう少し小さめで三段ぐらいの盆棚もあるので、予算やスペースによっては小さい盆棚でも全然大丈夫です。
もし、葬儀の後飾り祭壇があれば代用することもできるので、新盆までは処分しないでとっておきましょう。
精霊馬と精霊牛
精霊馬と精霊牛は、きゅうりやなすに棒(割り箸やマッチ棒)を指して馬や牛に見立てた物です。
こちら↓で作り方を紹介してます。
なぜ馬?や牛??なのかというと「帰ってくる時は馬で早く、あっちに行く時は牛でゆっくり」という意味合いだそうです。
作るのがめんど、、、という方は、ホームセンターや通販でお盆セットが売ってますので、購入するのも全然アリです!
盆提灯
盆提灯は故人の霊が迷わないようにするための目印になります。
供物
供え物は地域によって違いがありますが、供物は自由に何でも飾って問題ありません。
故人が好きだった物やお菓子、思い出の品でもなんでも飾ってください。
供えた食べ物(果物やお菓子)は痛む前に食べましょう。
ご飯や水、団子などは毎日、新しい物を少量づつ供えてください。
盆棚の準備が整ったら位牌を仏壇から盆棚へ移してあげましょう。
新盆(お盆)の過ごし方
先祖を迎える(迎え火)
迎え火は、ご先祖さまが帰ってくる日とされています。
麻がらや松などを玄関先で焚いて、提灯を灯して先祖の霊を迎えます。
麻がらは半分に折って迎え火用と送り火用にして使いましょう。
居住地域によっては、
- マンションやアパートで火を扱えない
- 火事が心配
という方は家の中や玄関先に提灯を吊るしておくだけでも大丈夫です。
新盆では玄関先に白提灯を飾ります。(屋内でも可)
- 火傷や火事には十分気を付けましょう。
- 提灯には実際の火を入れなくてもOK。
- 安全第一でお盆を迎えましょう。
先祖を送る(送り火)
16日の夕方に麻がらのもう半分に火を灯し送り火を焚きます。
これでご先祖さまの霊はまたあの世へと旅立っていきます。
この送り火に合わせて、全国的にイベントもあり、京都の五山送り火や奈良の高円山大文字送り火が有名です。海や川では精霊流し、灯籠流しなども行われています。
灯籠流しの様子はとても幻想的で、夏の思い出にぴったりですね。
※2020年はコロナウイルスの影響でイベントは中止が多いようです。
盆棚を片付ける
送り火が終わったら盆棚を片付けましょう。
送り火が終わったら、お供物や位牌をその日中に仏壇へ戻してください。
盆棚の準備を葬儀屋さんにお願いしている人は、片付けの日程を相談して盆棚を片付けてもらいましょう。
また、翌年も盆棚を飾る場合、棚や造花、提灯はしっかり保管して使えるようにして置きましょう。
保管するときのポイントは湿気に注意することです。
盆棚は木製で、提灯には白い紙が使われていることが多いので、湿気が多い場所に保管してしまうと
- 木が腐る
- カビが生える
- 紙にシミがつく
という可能性もあります。
乾燥剤などを駆使してしっかりと保管しておきましょう。
以上がざっくり新盆(お盆)の流れになります。
お盆のやり方も地域によって色々あるようなので、身近な人や菩提寺さん、地元の葬儀屋さんに相談するのが一番確実な情報だと思います。
ニューノーマルなお盆の過ごし方
2020年のお盆で気がかりな事といえばコロナウイルスでしょう。
結論、お盆とコロナウイルスはほぼ関係ないです。
どうしても心配な方は事前に連絡を取って、自宅へはお伺いせせず、各々お墓参りに行くなどの対策を行ってもいいかもしれません。
お墓参りは3密にならない
コロナウイルスが心配だからといって、お盆に何もしないのは心許ない、、、そんな方はお墓参りだけでもちゃんとした供養になります。
従来通りのやりかたでなくても供養の方法はあります。
- 仏壇の掃除をする(いつも通り)
- 好きなものを供える(いつも通り)
- お墓参りに行く(いつも通り)
- 人は呼ばない
コロナウイルスだからといって特別なことをする必要もないし、止める必要もないと思います。
ただし、会食や集会を避ければほとんど普通にお盆を迎えることはできます。
コロナ禍でお盆をどうしようか悩んでいる方は、事前に連絡を取り合うやハガキを出し法要は家族のみで行うなどお知らせするようにしましょう。
お墓参りはコロナ対策ばっちりのイベントです。
であれば感染するリスクは限りなく低く保たれるでしょう。
ソーシャルディスタンス(1メートル以内で15分以上の接触)を心がけつつ、みなさんでニューノーマルな新盆を迎えましょう。