【葬祭ビジネス】(株)サン・ライフホールディングの2021年第3四半期決算がヤバイ!?

葬儀ビジネス

(株)サン・ライフホールディングとは

会社概要

(株)サン・ライフホールディングは株式会社サン・ライフを子会社とする冠婚葬祭ビジネス大手の持ち株会社です。

2018年10月に株式会社サン・ライフを子会社とする持株会社として設立しました。

主な収益事業は以下の2つです。

  • ホテル・ブライダル事業
  • 式典事業(葬祭・法要)

これらの他にも介護、保険、清掃など生活に関するサービスを展開しています。

最近では、M&Aを積極的に行い、介護事業の拡大に注力しています。

2021年現在の代表取締役社長は、2008年に就任した比企武氏です。1970年から代表取締役社長を務めていたいた竹内恵司氏は代表取締役会長へ就任しています。

会社概要
  • 設立 2018年10月(創業1933年11月)
  • 上場 2018年10月(東証JQS)
  • 代表取締役会長 竹内恵司
  • 代表取締役社長 比企武
  • 本社所在地 神奈川県平塚市馬入本町13-11
  • 資本金 1億円
  • 事業内容 式典、ホテル・ブライダル、介護、etc

沿革

1933年 葬儀店サカエヤとして創業

1970年 (株)神奈川県冠婚葬祭サービスセンターを設立

1991年 いくつかの商号変更を経て(株)サン・ライフに商号を変更

1999年 福祉事業を開始

2004年 ジャスダック証券に上場

2005年 竹内恵司が代表取締役会長に就任、松井克彦が代表取締役社長へ就任

2008年 比企武(現社長)が代表取締役社長へ就任

1018年 「株式会社サン・ライフ」を子会社化し、完全持株会社「サン・ライフホールディング」を設立

主な事業内容

式典事業(葬祭・法要)

葬祭業を主に、30箇所以上の斎場や霊園の運営を行なっています。サン・ライフメンバーズという互助会制度を導入しています。

平成29年3月期において、当社グループが施行した冠婚葬祭のうち、互助会加入者の施行請求による件数は2,891件、4,222百万円であり、当社グループの売上高全体の37%を占めております。

引用元:事業などのリスク

互助会システムによる売上比率は大きく、4割弱の売り上げを互助会に依存しています。この互助会システムがうまくいかない場合、経営基盤が揺らぐ可能性がある事も示唆しています。

この互助会システムを大きく「ネット系葬儀」の台頭です。2009年からイオンやユニクエストといった他業種からの新規参入によって、葬祭業の確変しています。

ホテル・ブライダル事業

現在、3つのホテル・ブライダル施設を運営しています。

  • サンライフガーデン
  • 八王子ホテルニューグランド
  • ザ・ウィングス海老名

しかし、コロナ禍においてホテル・ブライダル事業への影響は大きく、売上も前年比で70%ほどの落ち込みがありました。

介護事業

現在、積極的にM&Aを行い事業拡大に注力しているのが介護事業です。

2019年10月に「エミーズ鴨宮」(神奈川県小田原市)、「エミーズ東間門」(静岡県沼津市)、「エミーズ原」(静岡県沼津市)をサン・ライフグループ傘下に加え売上は順調に伸びているようです。

少子高齢化が進むにつれ介護の需要はさらに増えるのは間違いないので、今後さらに力を入れていく方針だと考えられます。

サン・ライフ施設一覧

決算について

2021年第3四半期決算

では、2021年第3四半期決算の内容を見てみたいと思います。

発表は2021年2月9日に発表された内容です。

当期(前期比率)前期
売上高74.9億円(▲14.6%)87.8億円
営業利益▲1.88億円(▲44.3%)3.03億円
経常利益▲1.02億円(▲39.1%)3.74億円

前年度と比べても業績悪化が伺えます。とてもまずい状況ですね。

セグメント別売上の詳細

当期(単位:千円)前期(単位:千円)
ホテル事業345,8081,278,320
式典事業5,455,8346,117,513
介護事業1,410,2711,148,794
その他282,940236,119
7,494,8548,780,748

コロナの影響は大きく、特にホテル事業の売上は前年同期比でマイナス70%とかなりの落ち込みで、ホテル事業は非常に厳しい経営状況が伺えます。

式典事業についても、苦戦している状況です。

客単価の減少や他業種の新規参入によって競争が激しく今後、売上や利益を伸ばすのも苦労しそうなセグメントです。

唯一売上が伸びているのが介護事業です。

しかし、まだホテル事業や式典事業の売上の落ち込みをカバーできるほど規模ではないため、今後も投資フェーズが続いていく感じになるかと思われます。

通期予想(2020年4月1日~2021年3月31日)

当期予想前期
売上高103億円118億円
営業利益2.1億円3.8億円
経常利益2.6億円4.6億円

通期予想についても、前年度からの落ち込みが目立ちます。

まとめ:今後も厳しい状況は続きそう

今後の見通しについても、引き続き厳しい状況が続きそうです。

状況まとめ
  • ホテル事業はかなり厳しい
  • 式典事業も客単価減少や競争激化により苦戦中
  • 介護事業が唯一伸びている
  • 悪い状況はまだまだ続きそう

コロナの終息後、ホテルや式典への客足が戻ってくるのかがポイントになるかと思われます。

決算発表が5月10日に控えていますので注目したいと思います。

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