こんにちは!お葬式のブログのずうです。
お葬式のブログでは、お葬式の役立つ情報を発信しています。
今回は、葬祭業への就職や転職を考えている人へ葬祭業がおすすめできない理由を解説しています。
もちろん、おすすめできる部分もありますが、どんな仕事も良いところばかりではありません。
この葬祭業のオススメできないポイントも踏まえた上で、葬祭業への就職や転職を考えていただければ幸いです。
葬祭業とは
葬祭業はサービス業
葬祭業とは、葬儀や祭事の執行を請け負う事業のことです。
葬祭業は葬儀のみを請け負う仕事を言う場合が多いですが、近年では葬儀業を含む石材や生花、引き物、仏壇、納棺、エンバーマーなどを兼業している企業も多く、葬儀に関わる仕事全般が葬祭業に含まれます。
葬儀業の業務内容は、企業や職種によって全く異なりまが、葬祭業は人々の弔いのサポートをする仕事になります。
葬祭業は職業の分類的にサービス業になります。
サービス業は幅広い職種があり、経済産業省の業種分類表でこの様に分けられています。
IT系から飲食、教育、医療まで幅広い業種に関わってくるのがサービス業です。
サービス業は人から人へ付加価値を提供するビジネスで、生活に欠かせない仕事ということです。
厚生労働省で定めた能力評価基準がある
平成28年に葬祭業の職業能力評価基準が策定されました。
厚生労働省では葬祭業を3つのカテゴリーに分類しています。
- 施行業務
- 企画・営業
- 生花
施行業務とは、打ち合わせから会場準備、葬儀後のフォローまで行う仕事です。
主にこの施行業務が葬儀業のメインになる業務だと考えられます。
大手企業の場合、施行と営業が分けられているケースもありますが、葬祭業のほとんどは中小企業です。
営業から施行まで兼業する事も多いかと思われるので、葬祭業では総合的な能力が求められます。
企画・営業は、新しいサービスの開発や営業活動を行います。
一昔前だとなかなか営業活動が行えないのが当たり前だった葬祭業界も最近ではテレビCMでも頻繁に見かける様になりました。
広告や企画部門なので、葬儀社スタッフというより営業力やデザインスキルといった技術が評価されてくると思います。
生花は、生花祭壇や供花の制作を行う仕事です。生花祭壇については、葬儀と生花を兼業している企業は少ないので、
葬祭業の評価区分は施行業務・企画営業・生花の3つのカテゴリーごとに4段階のレベルにわけられています。
レベル1<レベル4 レベル1よりレベル4の方がレベルが高いです。
レベル2=葬祭ディレクター2級程度とのことなので、葬儀の実務経験が2年(葬祭ディレクター2級受験資格)で一人前になれる程度のスキルが身に付くであろうという一つの目安になります。
一人前の葬儀スタッフとして葬儀を請け負う場合、レベル2〜3程度のスキルが最低限必要になります。
- 個人の葬儀を独力で遂行できる
- 葬儀の一般的な知識と技能がある
仕事のミスが許されない?
葬儀の仕事は失敗が許されないといわれます。
もちろん、自分自身の葬儀は人生の内で一度きりしかありません。葬儀で失敗が許されないのは当たり前の事ですが、人間はミスや失敗をする生き物です。
しかし、失敗が許されない仕事は葬儀だけではありません。医師、建設業、料理人も失敗が許されません。
医師が失敗すれば、命に関わります。
建設業が失敗すれば、一生の買い物が台無しになります。
失敗というのは誰にでも起こりますが、世の中には絶対にやってはいけない失敗というのもあり、ごくごく稀にやってはいけない失敗が起きます。
失敗の原因はほとんどの場合、人為的ミスです。
情報共有、確認作業といった基本的な作業はとても大切です。
葬祭業の歴史
葬祭業がサービス業になるのは戦後
葬儀の歴史は古く、縄文時代以前からあると言われています。人間は古来から弔いを本能的に行う生き物なのです。
葬儀を仕事とする人が現れ始めたのは、江戸時代頃で、座棺屋(桶屋、早桶屋)さんと言われる業者が存在していました。都心部では葬儀用の道具を貸し出す業者もありました。
当時の葬儀社は今の様なサービス業では無く物や人を派遣するレンタル業でした。
葬儀が本格的に仕事になるのはもっと最近の話で明治時代になってからになります。
戦前までは葬儀の運営を請け負う業者はほとんどありませんでした。
葬儀社がサービス業になるのは、戦後の高度成長期にのことです。
経済の発展や時代の進歩と共に、地域の繋がりは少しづつ弱くなり、葬儀組みが機能しなくなります。
次第に都心部の方では葬儀は葬儀社に任せようと言う人が増え、葬具レンタル業からサービス業へ移り変わっていきました。
近年では”葬儀業は必要な仕事”として認識されていますが、死を扱うことから一部の人からは”穢らわしい仕事”として認識されている側面もあります。
映画「おくりびと」の中でもその様な表現があり、職業差別的な扱いを受けることもあります。
また、バブル期の葬儀は非常に高額かつ、金額の明細がかなり不透明だったこともあり、一般消費者の葬儀社への不信感は今でも強く残っています。
近年は葬祭業界の正常化を目的とした動きもあり、厚生労働省認可の葬祭ディレクター制度やインターネットの発達によって葬儀サービスの品質向上や葬儀費用が明確になってきています。
葬祭業の種類
葬儀社スタッフ
葬儀社スタッフになる為の資格は必要ありません。運転免許はあった方がいいです。
厚生労働省認定の葬祭ディレクター1級、2級という資格があり、葬儀社での実務経験(2年〜5年)を積むと受験する事ができます。
葬儀の依頼が入るまでは、営業活動、事務作業などを行います。
葬祭業において、最もハード業務は搬送と遺体の処置です。
日本人の8割以上の人は、病院や施設で亡くなります。しかし、全ての人が安らかな最後ではないと言うことも頭に入れておきましょう。
季節や亡くなった時の状況(事故や自殺など)によって遺体の状態は異なり、状況に合わせた対応を求められます。
また、人が亡くなるタイミングは誰にもわかりません。いつ何時、仕事の依頼が来るのかわからないというのは、肉体的にも精神的にもツラくなる時があります。
一人前の葬儀屋さんになるには遺体の搬送と遺体の処置という業務をこなしていく必要があります。
エンバーマー
エンバーマーとは、エンバーミング(遺体衛生保全)の資格を持つ専門技術者のことです。
エンバーマーになるには、IFSA(一般社団法人 日本遺体衛生保全協会)のエンバーマーライセンスの取得が必要です。
エンバーミングの起源はエジプトのミイラ作りとも言われています。遺体を清潔にし、薬品を投与することで遺体の長期保存が可能になります。
エンバーミングの費用の相場は15〜30万ぐらいで、作業時間は3〜4時間ほどですが、遺体の状態により費用や時間は変わります。
生花祭壇作成スタッフ
花屋さんといえば、お店で花束や鉢植えを販売しているイメージの人も多いと思いますが、生花祭壇の作成は「繊細かつ力仕事」です。生花祭壇の作成には技術力と体力が求められます。
生花祭壇のクオリティは、葬儀の満足度に大きく影響します。
葬儀社スタッフも生花祭壇の仕上がりには結構シビアです。
私の経験上もっともツラいのは生花祭壇作成スタッフだと断言できます。
- 花の仕入れは朝早く
- 冬場は寒く、水は冷たい
- 大量の花を運ぶのは力作業
- 夏場は花が痛むのが早く保管が大変
- 大量の花の水揚げで握力が無くなる
あと、職人気質の人が多く、怒鳴り声が聞こえたり聞こえなかったり、、、とにかくツラいです。
それでも、クオリティの高い生花祭壇がキレイにできるとお客さんにも非常に喜んでもらえます。
非常にやりがいはあると思います。
転職・転職をおすすめしない3つの理由
おすすめしない理由①:勤務時間が不規則
葬儀屋さんに定休日は基本的にありません。
友引の日に事務所だけは閉めているという会社もありますが、基本的に24時間365日営業が当たり前の業界です。
比較的に冬場の方が依頼件数は多くて忙しい事が多い様な気がします。(地域や会社による)
葬儀社の休日管理は基本シフト制を採用している会社が多いです。
いつどれだけの仕事が来るかわからないので、特に長期の休みは取りにくいかもしれません。
最近は労務管理は厳しくなり大手の企業の方が比較的休みが取りやすくなっている、、、かもしれません。
おすすめしない理由②:体調管理は大変
仕事が不規則な分、体調管理は大変です。
人生において、お金はとても大切ですが、お金以上に大切なものは健康です。
例えお金がどれだけあっても、健康を損なってしまっては意味がありません。
葬祭業は朝晩関係なしの仕事なので、かなり不規則な生活になりがちです。
体調管理には十分注意して、業務に当たりましょう。
おすすめしない理由③:ひと昔前ほど儲からない
葬祭業もビジネスです。利益を追求することは当たり前です。
儲からないビジネスとは
儲からないビジネスは労働環境が良くない傾向があります。それはお金に余裕がないと給料や施設にお金をかけることができないからです。
労働する上で勤め先の企業が儲けていることは大切な要素になります。
そして、今後葬祭業は今以上に儲からなくなってくる可能性があります。
この中で最も影響が大きいのが新規参入企業の増加です。これによって従来型の葬儀様式に依存していた葬儀社は苦戦をしいられています。
しかし、バブル時代のようなぼったくり葬儀によって葬祭業全体の信頼を失うことになりました。
給料がいいことが仕事のモチベーションではないと言う人もいると思いますが、葬祭業もビジネスである限り、利益を得なければ事業を存続する事ができません。
今後、葬祭業で長く働くことを考えるのであればその葬儀社のビジネスモデルがしっかりと適正な金額で利益を出せているのか見極める必要があります。