こんにちは!お葬式のブログ(@OsohshikiBlog)です。
お葬式のブログでは、葬儀で役立つ情報やこれから葬祭業界へ働きたいと思っている人へ情報発信を行なっています。
今回は、現役葬儀屋でもありますお葬式のブログ管理人が葬祭業の仕事内容ややりがいについて解説したいと思います。
日頃から触れ合うことの少ないサービス業の実態を知ってもらう事で「葬儀屋への理解や偏見」が少なくなればいいなーと思います。
葬儀社の仕事内容
葬儀社とは、葬儀や祭事の請負業者の事です。
葬儀社で働くための資格は基本的に不要です。
そのため起業の敷居は低く誰でもどこでも営業を行う事ができます。霊柩車の扱いには緑ナンバーの取得が必要です。
厚生労働省認可の総裁ディレクターという資格がありますが、今のところこの資格がなくても葬儀を行うことはできます。
厚生労働省が認定する葬祭ディレクター技能審査に合格した人が名刺などに記載する事ができます。
葬祭業の種類
葬祭業は大きく分けると2つの業種があります。
- 葬儀専門
- 冠婚葬祭互助会
の2つの葬儀社が存在しています。
葬儀の施行を行うという部分では両者とも同じですが、葬儀を請け負うまでのお金の流れや売上や利益の内訳が異なってきます。
葬儀専門系企業
- 公益社(燦ホールディング)
- ティア
両者は葬儀専門で数少ない上場企業です。
冠婚葬祭互助会系企業
- サン・ライフホールディング
- ベルコ
- 日本セレモニー
など、一言で葬祭業といっても色んな企業があります。興味ある方はぜひ調べてみて下さい。
葬祭業は儲かるのか?
結論、ひと昔前ほど儲からないです。
原因は”家族葬”や”直葬”の増加による単価の減少が大きく影響しています。
冠婚葬祭業全体の売上はおおよそ2兆円前後、その内の7割が葬儀事業の売り上げです。
葬儀事業の全国規模
年度 | 事業者数 | 年間売上(百万円) | 葬儀取扱件数 |
平成26年 | 8,674 | 1,543,226 | 1,338,796 |
平成30年 | 8,201 | 1,505,042 | 1,328,819 |
ここ4年間で葬儀業界の売上と件数はほぼ横這いになっていますが、葬儀の件数はこれからさらに増加して2039年にピークを迎えると言われます。
日本経済新聞 – 多死社会、ピークは2039年 団塊の老い、日本の課題に
しかし、家族葬や直葬の増加により、葬儀単価は大幅に減少していて、産業全体の売り上げは横這いか減少する見込みのため今後大きな成長は望めないかもしれません。
葬儀社で働くメリット・デメリット
葬儀社で働くメリット
葬儀社で働く事のメリットはいくつかあります。
- 「ありがとう」とよく言われる
- 貴重な経験である
- 基本的マナーや知識が身に付く
葬儀社スタッフは一般的な企業で働いている人より「ありがとう」と言ってもらえる事が多いです。
私自身は、葬儀社と葬儀社以外でも働いた事がありますが、葬儀社の方が圧倒的にお客さんから感謝の言葉を貰うことは多いです。
葬儀の仕事は、遺族や親族の人と葬儀が終わるまでの間に密接に関わるので、遺族の人にとって非常に近い存在になります。
お客さんから「ありがとう」と言ってもらえる事はやりがいのひとつになると思います。
人の「死」に直に関わる仕事は医療関係以外だと葬祭業ぐらいだと思うので、お葬式に関わる事は、どんなカタチの葬儀であれ貴重な経験だと私は思います。
安らかなお別れもあれば、壮絶な別れもあります。
様々なお葬儀に関わる事で、自分の人生についても考えさせられる職種かなとも思います。
葬儀社で働くデメリット
どんな仕事にもいい面と悪い面が存在します。葬儀の仕事に関してはデメリットであろう部分は結構際立っています。
- 死に関わる
- 24時間365日営業日
- 職業偏見がある
人の死に関わることはなかなかない経験であると同時にトラウマになるような経験になる可能性でもあります。
子供の頃曽祖母の葬儀があったのですが、特別変わった葬儀でもないのに、その時の事はいまでも覚えています。
人の死に方は安らかな最期もあれば、非常に辛い最期を迎える人もいます。
葬儀社スタッフが人様の死に優劣をつけてはいけないと思いますが、非常に辛い別れに立ち会った時は精神的に落ち込んだ時もありました。
しかし、葬儀のプロとして仕事をしているのですから、感情的になってしまうと思わぬミスが起きて、葬儀自体を失敗させかねません。
仕事として関わっている以上常に冷静でいるように心がけましょう。
固定休日や長期休暇が取得しにくいかも、、、
葬祭業のほとんどは中小企業と言われています。そのため従業員数も大手ほど確保できない企業が多いかと思われます。
そのため、葬祭業は安定的な休日の取得や長期休暇の取得は難しい業界と言えます。
葬儀社のほとんどは基本的にシフト制の勤務管理を採用している企業が多いかと思います。
基本的に24時間365日仕事を受け付けていますので、突然の依頼や夜間の依頼にも対応しなければなりません。そのため、不規則な生活になってしまう可能性があります。
休日についてはかなり取得しづらいのが現状だと思いますので、ここは覚悟しておきましょう。
現在では葬儀屋に対する偏見については、だいぶ少なくなってきましたが、未だに葬儀屋に対して”ぼったくり”や”穢らわし”といったイメージを持っている方もいます。
これは歴史的に葬儀屋自身に否がある部分もありますが、ひと昔前に比べてサービス品質の向上や葬儀費用の明瞭化は進んでいます。
一昔前にぼったくってきたような業者は生き残る事は出来ないと思います。
就職・転職をするならどうすればいい?
”資格が必要ない”のでいつでも誰でも就職できますので、求人サイトや近場の葬儀屋さんのホームページでも見て下さい。
どのような事に注意した方がいいか解説いたします。
応募するにあたっては、なるべく規模の大きい会社を選んだ方がベターかもしれません。
小さい会社に比べて、大きい企業の方が施行件数が多いので早く経験値が上がりやすいです。
しかし、部署によっては葬儀自体に関わりの薄い場合もあるので、一概に大きい会社がいいとも言えません。
大きい会社の方が教育制度やマニュアルがしっかりとしているかも知れないのです。小さい会社だと”見て覚えろ”と言われもせず、見様見真似で仕事しなければいけない可能性もあります。
ちなみに、私の場合はそうだったので大変でした。
ただ、小さい会社の方が現場の近くで学べる事もあるので、アリといえばアリですが、期待はしない方がいいかも知れないです。
しかし
冠婚葬祭業の失敗は致命的です。二度と取り返しがつかないケースもあるので、しっかりとした経験と知識は必要です。
やはり、マニュアルや教育制度がある企業の方がその不安は減る気がします。
休日については、期待しないというより諦めてください。
私は現在サラリーマンですが、休日の取得日数は葬儀屋時代の倍ぐらいになりました。。。本当に休みを取るのが難しかったです。人数もいないのと長期休暇もほぼなしです。
小さい会社になればなるほど、休みは取りづらい可能性は大きいです。
葬儀屋への就職はやめた方がいい?
正直申しますと、万人にはおすすは出来ません。
このような状況でも”やりがい”で述べたような
という部分に葬儀屋の価値を見出せる人はぜひ就職してみて下さい。
私は葬儀屋で仕事をする価値は十分にあると思っています。