今回は最近増えつつある直葬についてわかりやすく解説したいと思います。
時代の流れ的に葬儀の簡素化は今後もさらに進むと考えられます。
そこで、直葬について3つのポイントに分けて解説しますので、ぜひ最後まで読んで葬儀選びの参考にしてみて下さい。
- 直葬とはどんな葬儀?
- 直葬が選ばれない理由
- 直葬はダメなのか?
直葬とはどんな葬儀?
直葬がどの様な葬儀なのかざっくり解説します。
葬儀の工程と参列者を最もシンプルにした葬儀の事を「直葬」と呼んでいます。
この直葬は主に遺族、親族だけで行うことが多いので「家族葬」に分類される様な気がします。
葬儀の流れ的には通夜告別式がないだけで、準備するものや打ち合わせの内容も結構異なり打ち合わせに費やす時間も少なくなります。
直葬の現状
2020年8月現在、COVID-19の感染拡大の影響もあり直葬を選ぶ消費者は増加傾向にあります。
当然ですが、通夜告別式より直送の方が費用は安く抑えられるので、今後、直葬を選ぶ消費者は確実に増えていくと思われます。
特に近所付き合いも希薄な都心部は直葬が増加傾向にあります。
しかし、割合的にはまだまだ少数にとどまっていますので、直葬が安くて、簡単で、良い葬儀というわけではない様です。
少し前の調査結果ですが、こんなアンケート調査もあります。
調査時期が2013年〜2014年なので、この時よりも直葬の割合が増えている可能性はあります。
どんな人が直葬を選ぶのか
直葬を選ぶ主な理由は
といった理由が挙げられます。
直葬を選ぶ事で「経済的負担」「心身的負担」は軽減する事ができます。
また、「参列者がいない」状況ではわざわざ式場を借りて、通夜告別式を行う必要性もないので必然的に直葬という選択になるでしょう。
しかし、増えてきていると言ってもまだまだ「一般葬」「家族葬」の様な式場を利用するタイプの葬儀が主流ではあります。
直葬が選ばれない理由
家族はしっかり弔ってあげたい
人は自身の葬儀と家族の葬儀について意識の違いがあります。
冠婚葬祭総合研究所でこんな調査がありました。
(株)冠婚葬祭総合研究所 葬祭等に関する意識調査の結果 平成30年8月
自身の葬儀は「直葬でよい」という人は約2割強に対して、家族の葬儀の場合「直葬でよい」と回答した人は1割程度しかいませんでした。
また、7割以上の人が自身や家族の葬儀について「一般葬」や「家族葬」を望んでいるという結果も出ています。
経済的な負担がなければ、本質的に家族をしっかり弔いたい言うことです。
菩提寺の問題
葬儀において宗教の壁は時と場合によっては大きく立ちはだかります。
それは、この直葬においても問題になる事がまれにあります。
お墓がとあるお寺の敷地内にある場合、その一家はそのお寺の檀家という事になります。
そのお墓に納骨するためには、基本的にその敷地の管理者であるお寺の僧侶に読経をお願いしなくてはなりません。
葬儀後そのお墓に納骨を予定していたが、勝手に直葬を行なってしまったために納骨できないという事態にもなりかねません。
菩提寺がある場合、「直葬」を安易に選ばないように注意しましょう。
直葬のメリット・デメリット
直葬のメリットやデメリットについて説明したいと思います。
メリット
メリットは直葬を選ぶ理由にもありましたが
- 費用が安く抑えられる
- 心身への負担が少ない
というのが大きなメリットではないかと思います。
葬儀の費用に不安がある方や葬儀式の対応に不安がある方は、遺族や親戚、菩提寺にはしっかり相談の上で直葬を選ぶ事をおすすめします。
デメリット
直葬は内部的(「金銭的」「心身的」)なメリットがありますが、外部的にはデメリットもあります。
- 菩提寺の許可が必要(菩提寺がある場合)
- しっかり葬儀を行いたかったと後悔する
- 葬儀に参列したかった人がいる
菩提寺がある場合、葬儀が直葬で大丈夫かどうか必ず相談しましょう。納骨の際のトラブルの原因になります。
直葬の後、やはりしっかりお葬式を行なってあげたかったと後悔する人も少なくないです。
結論、直葬でも立派な葬儀
経済的な理由で式を行うことが出来なくても、やり方によっては直葬でも故人を十分に弔う行う事はできます。
この様なひと工夫だけでも十分な弔いになると思います。
また、葬儀費用の補助金制度もあるので、該当する方は必ず申請しましょう。
葬儀後、故人の訃報を知った方の中には最後に故人をひと目見たかったという人もいます。
直葬や家族葬はは故人を弔いたいという人たちの気持ちを拒絶してしまう事にもなります。
この様な部分も考慮しつつ葬儀のカタチや方法を選んでいただけると幸いかと思います。
直葬が必ずしもダメなわけではありません。状況によりけりになってしまいますが、できる範囲で最善のカタチの葬儀を行うことが故人への弔いになると思います。
皆さんもぜひ後悔しない葬儀を選びましょう。